#81 拝啓 坂上忍様

坂上忍さん、フジテレビ『バイキングMORE』卒業に寄せて

拝啓、坂上忍 様。
『バイキングMORE』卒業、本当におめでとうございます。8年間お疲れ様でございました。僕は初期の"笑いと情報とりホーダイ"時代から8年間坂上さんに楽しませてもらい、最近では、親しみを込めて「忍」と呼ばせていただいておりました。

『バイキング』月曜初回。酒焼けの声と明らかに酔っ払った顔つきで「MCをどうやるのか分からない」と言っていた坂上さんが8年の時を経て、最終回を迎えた今、立派なMCになったと生意気ながら思っております。

僕が坂上さんのことが好きになった、勝手ながらファンになったのは間違いなく現在のワイドショースタイルになってから、特に坂上さんが立って番組を進行する(MCという肩書きではなく、しっかりMCをする)ようになった頃だったと思います。2017年9月6日。坂上さんはそれまで座って、コメンテータースタイルわかりやすく言えば、ワイドナショーの松ちゃんスタイルだったのに、急に改編期でもない夏の終わり頃に突然MCとして立ち始めた時、それまではあくまでも"コメンテーター"だったのが、遂に"MCの座"に鎮座した時にいよいよこの人は『バイキング』に人生を全て賭けるんだなという熱意、MCになり、覚悟を決めて、覇気が明らかに変わったなと受け手の一人として感じました。またそれまでもそれ以降も先頭に立って毎日同じ話題を視点を変えて何日も何日も本音でギリギリなコメントをする姿を尊敬し、番組をずっと成り立たせるために毎日頑張っている姿に、僕はこの人に付いていこうと、ファンになったと、今になって振り返れば思います。"毒舌・坂上忍"としてはずっと好きですが、その頃から"人間・坂上忍"として坂上さんに惹かれました。

遡ること2016年4月4日、『バイキング』がワイドショースタイルに切り替わったのは実は坂上さんの鶴の一声で、『バイキング』がピンチの時に、「生放送だからスタジオでニュースを議論するのもありなのではないか、このまま終わるならこれをやってから終わりたい」という坂上さんの提案が番組の命運を変えた、まさに坂上さんがフジテレビを、『バイキング』を、救いました。

やっぱりそこには並々ならぬ覚悟があると勝手ながら思っていて、それが時にスタッフとも、出演者とも軋轢を生んでしまうことがありました。今日の最終回で「過去に傷がある自分から時事に変えましょうと言った時からその時が来ることを覚悟していた」とおっしゃっていて、やっぱりこの人の仕事に対する姿勢、『バイキングMORE』に人生を賭けてきたんだと思いました。

みんな周りは坂上さんのことが嫌いで、『バイキングMORE』のことが嫌いで、完全アウェイなせかもりでしたが、今日最終回を観て、この人を信じて良かった、この番組を、坂上さんを好きになって良かった、どれだけ周りが『バイキングMORE』のことが、坂上さんのことが大嫌いでも、自分の信念を曲げなくて良かったと思えるそんな素晴らしい最終回でした。坂上さんの真面目さが少しでも伝われば良いなと思う最終回でした。

坂上さんに会ったことがない一ファンが生意気に言うことが許されるのならば、坂上さんは努力の人であり、真面目な人だと思います。皆さんが『バイキングMORE』で観てきた坂上さんが"本当の坂上忍"だと思わないで欲しいというのは強く言いたいです。役者出身の坂上さんのことを考えて喩えるなら、"ワイドショー番組のMCを演じている"="悪役を演じている"と思って欲しいです。番組の方針に沿って、自らが悪役を背負うことで番組を成り立たせていたと思います。周りに人一倍気を配り、気を遣い(おぎやはぎ談)、番組の為には常に全身全霊で臨んで、『バイキングMORE』を命削ってやっていた姿にはもう尊敬しかないです。

坂上さんが率先して厳しい言葉を投げることでレギュラー出演者の本音を引き出しやすく、またおとといの放送でご本人も仰っておりましたが、専門家の人間性だったりを引き出しやすく、その"人間の面白いところ"みたいなものを視聴者に伝えようとしていたんだと思います。僕はそういう坂上さんが好きで、"自分の意見も言いつつ、共演者の人間性を引き出す"というのはMCとして抜群に上手いし、永遠の憧れでございます。

今後それが観られなくなるのがとても悲しいものではありますが、『坂上どうぶつ王国』で保護施設の建設をし始めたところからこの日が来ることは覚悟してました(予想より早かったけど)。また坂上さんもずっとこの先"ワイドショーのMCを演じる"ことは精神的にも肉体的にも厳しいと考えたら、一定数番組に対して支持があるこのタイミングでの幕引きはとても正しいと思います。今日の最終回で(過去に傷があるのに『バイキングMORE』をやっていることに)「負い目があった」「しんどかった」と涙を流した時、僕も涙を流しました。僕がテレビを観て泣くのは本当に初めてでした。やはりそれは一ファンとして坂上さんの辛さやしんどさを各所で垣間見る瞬間があって、勝手ながら他の方より色々知っている僕はそれを思うと、無意識に泣いてました。

坂上さんが『バイキングMORE』を卒業して動物の保護活動への道に進むことを心から応援したいと思います。本当に8年間お疲れ様でした。僕の青春の全ては坂上忍さんであり、『バイキングMORE』であったと思います。
「パパの時間が増えますね。それが、なにより嬉しい…。」(本日のブログより引用)

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