#17 月9再びの転換期

今日、明日はテレビを見聞きできないほど忙しいので、番組の感想ではなく、ツイートでは語り尽くせなかったアレコレを語るような内容にしたいと思います。題して「アレコレト!」(どっかで聞いたことあるとか言うなよ!w)
第一回目として取り上げるのが「月9再びの転換期」。月9が2度目の方針転換を迎えているのではないか、と最近感じています。
月9といえば2010年代前半までは多ジャンルにわたり放送してきましたが、『踊る大捜査線』のプロデューサー・亀山千広氏がフジの社長に就任。その際に「月9は恋愛ドラマ!」と方向性を定め、『恋仲』『5→9』『いつ恋』『ラヴソング』『好きな人がいること』『カインとアベル』『突然ですが明日結婚します』と7作連続にわたり、恋愛ドラマを展開しましたが、『いつ恋』辺りから世帯視聴率が低迷(『いつ恋』は大好きだよ)。

その後『貴族探偵』という起爆剤を投入するも不発(僕は好きだった)、『コード・ブルー3rd』でさすがの持ち直しを図るも『民衆の敵』『海月姫』では再びどん底に。(前者はギャラクシー賞/後者は内容面において高評価だった)

そこで登場したのが『コンフィデンスマンJP』である。以前僕のブログで紹介した通り、「月9枠とはどうあるべきか」ここから大幅に見直されて現在に至っている。その後の月9については以前のブログに書いたので今回は省略する。
本題はここから。本日、4月期の月9ドラマ『元彼の遺言状』の情報解禁があった。現在放送中のドラマ『ミステリと言う勿れ』に続き、2期連続でワクワクする、これまでのテレ朝が得意とする医療・刑事の一話完結ものをフジなりにローカライズされたものとは一線を画した作品が続く。

2022年1月期を僕は月9枠2度目の転換期と勝手にした。勿論「医療・刑事モノ」から完全脱却したわけではないが、少なからず「職業が違うだけでフォーマットが同じ」というジンクスは崩れたのではないかと考える。これは月9枠にとって大きな転換期と考えて間違いないだろう。

そしてこの転換が出来るようになったのも、月9が何をやっても世帯視聴率、個人視聴率、そして見逃し配信再生数といった"指標"が付いてくるようになったからだ。「職業が違うだけでフォーマットは同じ」と先述したが、ここ4年間の月9枠の作風は全く異なる。サンプルをいくつか挙げる。

『監察医 朝顔』はかつてのフジなら間違いなく木曜劇場でやっていたであろう東日本大震災をメインテーマに置いた法医学ミステリーだ。内容はヒューマンドラマと言った方が正しいと思うが、こういった重厚な作風も受け入れられている。実際に『監察医 朝顔』は第2シリーズが2クールに渡り、展開された。

『ラジエーションハウス』は月9では珍しく恋愛要素が入っている医療ドラマだ。その恋愛は全く進まず、作風は人を選ぶが、僕みたいに「脳を回転させずに見られる!」、また僕みたいに「キャストのわちゃわちゃ感好き!」といった感想に溢れ、こちらも第2シリーズまで展開された。それに加え、何故そうなったかよく知らないが、僕みたいに「何だかんだ映画に見に行くし」というここまでラジハに付いてきた視聴者の為なのか、現場が楽しすぎて作ったのか、は定かではないが、ノリと勢いで今年4月には映画化まで決まった。先述した『監察医 朝顔』とは対称的なめっちゃ軽い作風のドラマでも視聴者にウケる。
また僕は脱落してしまったが、青春群像劇×医療ドラマを掛け合わせた『ナイト・ドクター』というドラマも指標的な面で語れば好評だった。このドラマはオリジナル作品。『コンフィデンスマンJP』以来久々の月9オリジナル作品でもしっかり手堅く世帯2桁をマークした。
こういったように今の月9は「何をやっても数字が獲れる」時代に突入したと考える。もはや無敵だ。ドラマで世帯1桁はヤバいと思いがちだが、現在毎クール世帯2桁で完走しているのは、テレ朝の刑事枠と日曜劇場、そして月9のみだ。これまで"どん底からの回復"という意味で新たな視聴者層の開拓やこれまでの視聴者層の回帰を目指していた月9が、『コンフィデンスマンJP』から約4年で遂に「安定期」に突入。今期の『ミステリと言う勿れ』や来期の『元彼の遺言状』のようにチャレンジングな作品が出来る風土になったのだ。

最近のフジテレビドラマは微妙だなと僕も思うが、今期の『ミステリと言う勿れ』はとても良い作品だし、『コンフィデンスマンJP』と『モンテ・クリスト伯』を並べた2018年4月期のフジテレビのように"良い作品が並ぶ"ことに期待したい(個人的には『ゴシップ』好きだけど)。頑張れ!木曜劇場!てか本当に水10は出来るの?

0コメント

  • 1000 / 1000

せかもり