ウロボロスの薄すぎる感想文です

TVerで視聴していた2015年のTBSドラマ『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』を完走した。最終回まで観た率直な感想を記憶が新鮮なうちに記していきたいと思う。

めちゃめちゃネタバレなので、今、僕みたいにTVerで履修しています!という人はここら辺でそっとタブを閉じて欲しい。ちなみに考察とか解説とか死ぬほど苦手なので、めちゃめちゃ薄い内容になったら申し訳ない。


簡潔に述べて「前中盤で盛り上がりすぎた」ような感じが否めないが、全体的に見て、トップクラスに良かったドラマだった。僕の「ドラマウォッチリスト」で言えば、★2(満点)だと思う。

生田斗真さん、小栗旬さん、上野樹里さんの3人が良すぎた。

まず生田斗真さん、最近で言うと『書けないッ』などコメディーな役を演じることが多いが、このドラマでコメディーを0%にしているわけではなく、イクオのキャラクターとしておちゃらけることも多いが、上野樹里さん演じる日比野美月を守って銃を撃つシーンはめちゃくちゃカッコよくて、思わず声が出た。決して喜劇役者ではなく、シリアスもコメディーも行ける役者なんだと感じた。またこのドラマが出来た経緯をWikipediaで知ったが、生田さんが原作漫画を読んで実写化を熱望し、小栗さんに漫画を渡したらしい。そことの因果関係はわからないが、ジャニーズの後輩がどこにも出てきていないあたりに制作陣の並々ならぬ本気を感じた。

小栗旬さんもめちゃめちゃカッコ良かった。このブログを書くときに「陰の役は新鮮」と書こうと思っていたが、よくよく考えれば、『Woman』の方がよっぽど陰の役だし、3日放送の『日曜日の初耳学』で映画『クローズZERO』以降は強い役が多くなったと話していて、その出演作品の一例に思いっきり入っていたので、陰の役としてカウントしてはいけないなと感じた。でもこんな小栗旬さん新鮮だし、なんて表そうと僅かな語彙力で考えた結果「寡黙な役」と言うべきなのかなと言う結論に行き着いた。てか小栗さんの仕事選びは何故ここまで上手いのか論文書きたいくらい上手い。小栗さんの出る作品は絶対当たる。同じ事務所の田中圭さんは仕事選び地獄というか来る仕事全て受けてそうだし、綾野剛さんはめちゃめちゃギャンブラーだ。この違いを知りたい、どうなっているんだドライストーン。

上野樹里さんもめちゃくちゃ良かった。自分の中の正義とイクオへの思いで揺れるヒロインを真摯に演じた。本当に演技が上手い。30代の女優の中でずば抜けて上手いと僕は思っている。表情とか緩急とか全てが素晴らしい。そしてこの方も仕事選びが上手い。さすがアミューズ(?)


てか光石研さんめちゃくちゃ良い人だった。だっていつも怪しいから、「どうせ日比野首席監察官だろ」と思っていた。マジで疑って申し訳ないと思った。これでいて次は『最愛』に出るんだから面白い。なぜ僕が「前中盤で盛り上がりすぎた」といったかと言うと真犯人が中村芝翫(当時:中村橋之助)さん演じる北川総監がサイコパスだったというオチだったからだ。正直に言うとあそこでどこか冷めてしまった自分がいる。でも消去法的にそうか、登場人物が少ないからそうなるのが必然なんだけど、サイコパスと本編で直接的に表現されていないのだけど、幼少期に家族を殺されて、その犯人の娘と恋に落ちて、イクオが誕生、イクオに愛情がないから「まほろば」に入れて処分しようとしたのどう考えてもサイコパスにしか思えなかった。しかも北川総監は前半で撃たれたところ以外に殆ど登場していない、急に「お前かい!」という感情になった。これがちょっと冷めた理由。

途中から唐突に出てきた那智(綾野剛)の妹が心臓移植にために殺され、その心臓が小夏先輩(清野菜名)のもとにある、という展開は素直にエグいなと思った。ちょっとだけ、ほんのちょっとだけニッポンノワールがよぎった(あのドラマは人体改造だが)。それ以上にニッポンノワールがよぎったのは、20年前に射殺された結子先生を広末涼子さんが演じていることだ。僕が最近観たドラマ、大体広末さんが生きていない、治安が悪いドラマ出がちだなと思った。


脇を固める滝藤賢一さん、吉田羊さん、吉田鋼太郎さんもめちゃくちゃ良かった。その中でも滝藤賢一さんがかなり好きなのだが、「見たい滝藤賢一」だった。こういう悪そうで良い役をやらせたら、ピカイチだと思う。吉田羊さんもカッコ良かったし、吉田鋼太郎さんも最後までイクオの味方でカッコ良かった。この3人を起用して、佐野プロデューサー凄すぎます。

ちなみにゼロの班長を演じたモロ師岡さんが悪すぎて「平匡さんのお父さんが・・・」と思ってました()


最後に大オチのイクオと竜哉が死ぬオチは知ってました。何故かというと当時同じクールで放送されていた『〇〇妻』という日テレのドラマがあったんですが、あれが同じ主人公が死ぬオチでそれと纏めて「なぜ今期は主人公の死が多いのか」という記事を当時スマホ持ちたての中学に進学した僕が読んだ記憶があるから。でも納得だと思う。復讐劇って何回か観た(特にカンテレで)が、人を殺めておいて、自分だけが幸せに、なんて無理だと思う。復讐を遂げた先に希望なんてないと僕は思っているし、イクオが日比野美月と幸せになんてことは信念に反するのでは?と思う。だからこれで良いと僕は思います。『モンテクリスト伯』でもディーンが「楽しかった」と言い残して、燃えて行方不明になったし、『竜の道』も玉木宏さんが復讐の過程で殺めた敵の子供に刺された。復讐の先に希望は無いから、納得です。『FINALCUT』がちょっとベクトルがおかしかっただけ。


というような感じで『ウロボロス〜この愛こそ、正義。』全10話楽しかったです。薦めてくださった方、ありがとうございました。

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せかもり