フジテレビ『レンアイ漫画家』最終回
第10話、第11話(最終回)については、まさに「王道のラブコメ」のような展開ではあったが、こんなに素敵な結末が描けるのかと感服した。このドラマが始まる前は「もしかしてTBS火曜ドラマのようなチープなラブコメになってしまうのか?」といった不安があったが、その不安は回を重ねるごとで払拭されていた。前半は「鈴木亮平さん演じる刈部さんを主軸に当て馬が次々と変わるドラマ」と思ったら、第5話くらいから「吉岡里帆さん演じるアイコさんが自分の本当の気持ちに気づく」=アイコさん目線で描かれ、第9話からは「刈部さんが自分の本当の気持ちに気づく」=刈部さん目線で描かれ、視聴者を飽きさせない多角的な描き方と片岡愛之助さん演じる向後さんと刈部さんの出会いなどしっかり刈部さんのバックボーンを描いていて、登場人物に愛着を持たせる手法がとても絶妙だった。
このドラマにおいて竜星涼さん演じる早瀬を抜きにして語ることはできないだろう。当て馬ではなくストーカー、意中のアイコさんの恋を邪魔することなく、見守り応援、最終的には木南晴夏さん演じる同じ漫画家の可憐さんとゴールインという結末だった。今までラブコメ、恋愛ドラマでこんな異端なキャラクターいただろうか、その早瀬を三枚目的な役を演らせたら、右に出る者はいないとされる竜星涼さんが実に見事に演じていた。早瀬がこのドラマにとって“ストーリーテラー”的な位置にいたのかもしれない。
このドラマもTBS『着飾る恋には理由があって』もそうだが、人間の恋愛模様はオフの瞬間に進行していくと思う。着飾る恋もこのドラマも恋愛関係に発展する二人がひとつ屋根の下で生活を共にしている。オンもオフもナチュラルに魅せていくことで惹かれていく過程を丁寧に描くことができるのでは無いかと思った。また『レンアイ漫画家』というタイトルを壊すことなく、レンくんは常にいたし、漫画に帰着する、漫画が第一に描かれると言った物語にとってすごく大切な部分は最後まで守ってくれた。
そしてやっぱり鈴木亮平さんの新たな一面を見たと言っても良いだろう。僕は鈴木亮平さんの作品を実はあまり観ていないが、7月から放送される日曜劇場『TOKYOMER〜走る緊急救命室〜』のように常に“陽キャ”のような明るく元気なキャラクターを演じていらっしゃる印象が強かったが、このドラマでは決して外に出ない、対人が苦手と言った“陰キャ”を演じていた。鈴木亮平さんはこんな役も出来るのかと思った。
鈴木亮平さんの取扱説明書に新たなページを20ページくらい刻んだドラマだった。 #レンアイ漫画家
— 世界の森の駐車場 (@WFP07733) June 17, 2021
吉岡里帆さんに関しても同じだ。ネットのカスライターが吉岡さんのことを「視聴率」と紐づけて批判しているのも見るとうんざりする。1話から変幻自在の吉岡さんを見せてくれたと思ったら、徐々に刈部さんが“人生の相方かもしれない”と言った気持ちに揺れ動く様を見事に演じていた。可愛げもありつつ、芯の強いアイコさんの役を演じられるのは吉岡さんしかいないと思う。素晴らしいキャスティングだった。
最後に、主題歌も良かった。佐藤千亜妃さんの「カタワレ」の冒頭の歌詞「君は僕の何ですか?」から始まるイントロとちょうどいいメロディーが良い具合にドラマを邪魔せず、歌詞がドラマの展開を加速させたことは間違い無いと思う。
『着飾る恋には理由があって』同様エンディング後の「あの時実は・・・」演出も素晴らしいし、実況映えかつこんなに良いドラマに出会えて良かったと思う。
レンとアイコと漫画家の3人の物語、これにて完結と相成りました。
— 鈴木亮平 (@ryoheiheisuzuki) June 17, 2021
何でしょう。やっぱり少し、寂しいですね。
毎週『レンアイ漫画家』を楽しみに観てくださった皆様、心から、ありがとうございます。
皆様に愛していただけて、僕達は幸せ者でした。
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そしてスタッフ・キャスト、関わっていただいた全ての方々、心から感謝です。
— 鈴木亮平 (@ryoheiheisuzuki) June 17, 2021
特に、ご自身の連載漫画を執筆中の壮絶なスケジュールの中で、並行してあの「銀天」を描き上げて下さった佐久間結衣先生、あなたがいなければ刈部清一郎は存在しませんでした。
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二人のカタワレと純真な一人。この三人の愛の物語が、皆様の心にいつまでも残りますように。
— 鈴木亮平 (@ryoheiheisuzuki) June 17, 2021
何度でも言いたい。本当に、ありがとうございました。
2021年6月17日
鈴木亮平
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テレビ東京『生きるとか死ぬとか父親とか』第11話
ここまで観てきて良かったと思えた第11話だった。後半は結構しんどくなると言う予告はあったが、想像以上だった。第10話の「赤いコートの女を認めてしまったトキコの葛藤」に続き、「母が隠していた寂しさ」を軸に物語が大きく動いていった、というより吉田羊さん演じる今のトキコが封印していた事実に松岡茉優さん演じる過去のトキコが説得するといったまるで“心の中の心情を可視化した”ような演出が見事だった。佐久間さんがこの回のために積み重ねっていたというのはこのことかと思った。トキコの父を演じる國村隼さんの涙は何重もの意味があると感じている。後悔か贖罪か寂しさか
DJ松永さん何でこんな良い芝居するんだw
この回のために少しずつ積み上げできたドラマかもしれません。ぜひ。
— 佐久間宣行 (@nobrock) June 19, 2021
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マシュマロアンサー
マシュマロありがとうございます。正直、批判したい人の気持ちが100%分からないわけでも無いです。確かに障がい者の方に過酷な挑戦をさせたり、旬の芸能人にマラソンをさせる演出は不要だなと感じてしまいます。ただその意見の多くは健常者が「障がい者を思って言っている」ようなエゴだったりすると思うんです。本当のところは分からない、富士登山に挑戦だったり、敢えて過酷なことをして、その人が人間的に成長したと実感したかもしれません。そもそもほとんどの方が健常者のこの世の中で障がい者を思って、気遣うような発言はナンセンスです。だってお前は健康だろ、健康なヤツがどう抗っても障がいを持つ方の本当の気持ちが分からないのだから、それを想像して寄り添ったつもりなのか?と思います。これが要は「やらない善」です。テレビを観て、己の愚かな正義心で批判しちゃう。批判する奴はそんなのばっかりです。そんな批判をするならお前は何か障がい者の方のために行動したことあるのか?と思います。どんな形であれ、チャリティーと言うものを賛否あれど知ってもらうきっかけが「24時間テレビ」だと思います。番組などではあまり大きく紹介されていないけれど、しっかり募金を寄付したり、そういった施設に福祉車両を提供したりとやっていることはやっているんです。ジャニーズを起用するのも事務所の癒着云々にジャニーズの持つ力は絶大だから、今の若者にチャリティーと言うものを知ってもらう機会だから起用しているのだと思います。
事実、ジャニーズのファンの方がチャリTシャツやインターネットを通じて寄付をするからあれだけの金額が集まると思います。
僕が思うには、しっかりチャリティー番組としての役目は果たしているんだよ、ということを日曜朝のミニ番組やHPだけではなく、もっと本編で大々的に告知すれば、少しは批判も収まるのでは?と思ってます。
せかもり
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