#59 ポップハライチに対する違和感

フジテレビ『ポップハライチ』

佐久間さんフジテレビ初演出番組。流行の移り変わりが激しい「ポップカルチャー」の世界をその手に精通した「カルチャー先生」を招いて、「ノーカルチャー男」澤部さんにレクチャーするカルチャーワイドショー番組。
「漫画は編集者で選ぶ時代」というのは「ドラマはプロデューサーが要」というのと似ているものがあるなと。ドラマも脚本が命と言われがちだが、実はそれを操るプロデューサーが命で、プロデューサーの"価値観"だったりといったものが反映される。そういう点において「漫画は編集者で選ぶ時代」というのは凄くわかるなと感じた。

また長久允さんが映画監督として最注目であるというのも今回初めて知ったのだが、森田剛さんが出演する『DEATH DAYS』という作品は知っていたので、なんか少し得した気分になる。映画監督と広告代理店、二足のわらじでやっているのが凄いなと。またXXCLUB大島さんのプレゼン力が良く、「生と死」がテーマで一貫していて中身も素晴らしいというので今度改めてしっかり観てみたい!と感じた。

ポップカルチャーをレクチャーする番組と言いながらレクチャーする側の当たりが強い

一方で、番組後半の岩井さんが考えた妄想アニメで芸人のキャラクターボイスを誰にやらせるのかという会議は、僕は声優が全く分からないので、イマイチついていけない部分が多かった。僕の勉強不足の点が否めないですが、天津向さんが澤部さんに対して終始当たりが強かったなと感じてしまって、なんかそれが自分的には受け付けないというか、澤部さんにレクチャーする番組なのに、澤部さんへの当たりを強くしてしまったら、番組として成立しないんじゃないかと感じてしまった。

また今回、主にアニメとゲームが多く、世間的にはアニメファンやゲームファンが多いのは凄くわかるのだが、大島さんをキャスティングしておきながら、映画の話が少ししか無かったことや、ドラマの話が全く無かったことが凄く残念だなと。たまにこういったコンテンツを語る番組ってあると思うが、どうしてもアニメ、ゲームに偏りが生じてしまうなと。僕もこの番組でこの内容ならノーカルチャー側だと思うけど、そういう番組において、先述した当たりの強さとか「お前そんなのも知らないのか」みたいなスタンスにさせるのはどうかと思う。新規のファンを増やすなら新規にこそ優しくなるべきだし、そういう点において大島さんのプレゼンは凄くよかったなと感じた。

佐久間さん×木月さん×黒木さん×ハライチ、もっと挑戦して欲しかった

またこの番組に対する違和感としてやはりコンテンツを語らせる系の番組としてほぼ同じ座組の『久保みねヒャダこじらせナイト』があるのに、なぜこの番組を作ったのかということ。なんなら久保みねヒャダの方がカルチャーを語るという点においては広く自由なタイプだと思っていて、正直この番組を作った意図というのが見えない、というより『久保みねヒャダ』の評判が良いから置きに行ったなという良くない思惑を勘繰ってしまうほど。

佐久間さんフジテレビ初演出であるなら、まず放送時間を深夜3時台にする違和感はある(フジテレビ編成に言いたい)し、木月さん、黒木さんという最強のスタッフにハライチMCならば、もっと挑戦したお笑い番組が観たかったなと感じた。フォロワーさんの言葉を借りるなら"拍子抜け"だなと。

カルチャーを語らせる番組に感じる限界

『あたらしいテレビ』がほぼ失敗だなと感じた今、僕は"ポップカルチャー"、"テレビ"をひとつに括って語ろうという番組を作るのは不可能だと思っている。なぜならそれだけコンテンツが分散化しているからだ。アニメでも漫画でも勿論ドラマでもバラエティでも、おそらく"ジャンルごと"にとかある中、それをひとまとまりにして語らせるのは無理だと思う。だからこそ『あたらしいテレビ』は失敗だった。何かを浅く掘り下げるよりも、ひとつのコンテンツを深く取り上げる方が今の世の中に合っていると思う。だからこそ『ポップハライチ』の目指すところはレギュラー化なのかもしれない。というより『久保みねヒャダこじらせナイト』こそレギュラーに戻すべきだと感じる。

と、『ポップハライチ』を観て色々言いたいことがありすぎてブログで言ってしまったが、あくまでも僕の感想なので一意見程度に捉えていただければ幸いである。

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